どうしてこんなことになったのか

言うまでもないが、高度経済成長期

人間活動を行なっている営みの中で、どうしても開発を行わなければならない場合もある。しかし大半がそこまでしてまで必要なことなのか、という場合もある。今だからこそ過去に見られたとにかく需要を、といったようなモノで乱立するビル郡の形成によってどれ程の進歩を遂げたのかは言うまでもない。現代になっても空いている土地にこれでもかとマンションを始めとしたものを建築する、もしくは森林を伐採するなどの作業が、あまり喜ばしくないが率先して行われている部分がある。元は自然豊かな島国だったはずがここまで進化した事、かつて敗戦国として苦汁を舐めさせられ、尊厳というものを根こそぎ奪われた国が、僅か数十年で世界有数の先進国にまで発展したことは、大いに歴史に刻まれている。東洋の奇跡などといわれるのも理解できるが、その結果として現在までの絶滅危惧植物種の一端に繋がっていると考えれば、先のことを考えていなかった日本人の過ちというものだ。表面的にこそ成功したと見られていたが、もしかしたらこうした功罪を隠していたのでは、と疑ってしまうような部分も浮かび上がってくるかもしれない。日本植物園協会などに加盟している植物園の中には、こうした開発によって深刻な被害をいつかもたらすことになると、予期していた可能性は十分に高い。だがそれが表の世に出ればそれなりに不都合なことにもなる。今でこそ追求できる部分かもしれないが、もしかしたら当時の政府はこの事実を黙殺していた可能性もあるともいえなくもない。

今となっては机上の空論のように、責任の擦り付けになってきてしまうのでもはやその点については議論する時間は無駄だろう。今話し合わなければならない問題は、何故日本だけがこのような状況に陥ってしまったのかについて考えなくてはならないことだ。日本でこうした絶滅危惧植物種が増加した原因は開発といわれており、その全盛期とも言える昭和中期から後期にかけての経済成長期、さらに平成に入った直後にも見られる開発事業は盛んだ。一度に莫大な金額が動く事を考えれば経済循環としてだと、魅力的なところだ。だが自然科学という面で考察すると、それらがもたらす結果がどうなるこそ、今回の調査によって導き出された内容によるところだ。

ではこの点についてもう少し詳しく考察してみようと思う。

世界的に調査不足

植物の絶滅危機に対してどれほどの人が見解を持っているか、疑問を提示しても散々足る結果しか生まないため追及は敢えてしない、ただそれにしては無関心すぎる人は多すぎるのではないだろうかと、そんな別の側面からの疑問に立ち会うことになる人が出てくると思う。その疑問に対して答えるとするなら、これは日本だけに留まらず世界全体として見て非常に深刻な問題となっているのだ。先に紹介したBGCIのような機関が世界各国に存在している植物園と連携して、植物の保護活動に尽力している事は明白な事実だ、覆されるいわれも無く、そしてひ呈する事の出来ない真実でもある。しかしこうした活動を行なっている人々は人類全体という尺度で表すなら、やはりほんの一握りの人々しかこの窮地を理解していないことも意味している。

生きていれば何かしらの生物が絶滅の危機に陥っているといったニュースを耳にすることはあるだろう、日本でもNHKが日曜日に放送している自然界のリアルな日常を映し出している番組を放送していたり、ケーブルテレビでは世界各国に存在している動物達の情報を提供する番組もある。視聴しているなら毎回とは言わなくても、一年という単位で考えれば『絶滅』という言葉を耳にする事はあるはずだ。動物たちの絶滅危機について一般認識度としての浸透具合は例え興味関心を示していない人でも、どの程度の状況なのかはある程度把握していると思う。リアルな数字となって、自然界のあらゆる存在を保護する活動を行なっている国際組織『国際自然保護連合』が積極的に行っている。国連直属の組織というわけではないが、近年その活動がようやく認められて議決する権限こそ無いが意見を提出することが出来る『国際連合総会オブザーバー資格』を取得している。

そんな国際自然連合が提出した、動植物を問わない絶滅危惧種として数えられている生物の割合は次の通りだ。

  • 哺乳類:26%
  • 鳥類:13.5%
  • 両生類:41%
  • 植物:6%

両生類の約半数近くの種が絶滅の危機に瀕しているということも重大だが、植物のこの数字を見て安堵する、言いすぎなだけだと思ってはいけない。この植物の絶滅危機に直面している数字はほんの一部なのだ、つまり何が言いたいのかというと単純な『データ不足』という問題がここに出ているんだと気付かなくてはならない。

日本でさえ100年後には561種の植物が絶滅すると言われている中、世界単位で現在までに消滅する度合いが高いと言われている植物が、この程度の数字であるわけがない。ならどうしてこんな数字なのかはデータ不足ということもあるが、それは人間が植物に関する絶滅という言葉に対して、あまりに軽んじている部分が出ているためだ。現状は極めてレッドよりのオレンジであり、状況は今まさに最悪のシナリオへと加速するように順調にその工程を歩んでいるのだ。してはいけない既定路線を形成しようとしているこの状況を食い止めるには、どうしても世界全体で正確なデータを把握しなければならない、だからこそもっと範囲を広げて調べなければより現実味を帯びてこない、もしかしたら両生類以上に絶滅危惧種と指定される植物は増える可能性も十分にあるため、対策は必須だ。

植物園の活動がもたらす意義とは

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