推し進めている事業

認知を広めるために必要な行事を行っている

日本植物園協会が普段から行っている事は植物園に関する調査研究を初め、文献の収集に関連書籍の発行といったような、サポートとしての役割が多くなっている。その他にも植物園同士のネットワークを形成することによって、専門的に研究を推し進めている植物園同士が協力して新たな可能性を模索することが出来る、そうしたことも協会あってこそ出来ることだ。日本だけでなく、海外との連携を深めようとする動きも率先して行っている。

ただ忘れてはいけない事は日本では、植物園というものが観光事業という印象で通っている部分があるため、存在意義について詳しく把握している人が多いのは否定できない事実である。日本がもっと積極的に植物、ひいては自然界との関わりを強固なものとするため、協会では定期的に絶滅危惧植物保全活動の一環として『植物園シンポジウム』を開催して、今まさに直面している植物達の状況を知ってもらうための啓発活動を絶え間なく行なっている。普通に生きているとこうした現実には疎くなってしまいそうだが、それではさすがにまずいので定期的に協会はこうした活動を推し進めている。成果というものを考えると、そこまで関心を高めるような結果を生み出しているとは、述べる事が出来ない結果となっている。日本人だけに限ったことではないが、自然環境に対して無関心という人は少なからず存在している。ではどうしたらいいのかといっても、中々感情だけを煽っても現実味に欠けてしまうという理由で自然界が今どのような状況に陥っているのか、知ろうともしないのは日本ならではというのも、認めたくはない事実だろう。

そうした中、何とかして自分達のしている事を伝えようとする動きはともかくとしても、協会は計画している事業についてもう少しその内容を掘り下げてみようと思う。日本植物園協会では主に植物園の支援を主に行っているが、時として何かしらの要請を植物園側から受けることがある。その要請は植物園の社会的責務に関わるものとなっているので、協会は腰をすえて取り掛かる必要がある。その代表的な事業としては『植物の多様性保全活動』というものに力を重点的において行われている。

ではこの植物の多様性保全活動とはどのようなものなのか、考察して行こう。

消滅の危機に曝されている事実を察知していた

植物園では日々研究が行われているが、研究を続けていく中で気付いた事がある。それは植物の大半が常に絶滅の危険性があるということだ。そのため、その場所にかつては咲いていた花がいつの間にか咲かなくなっていたとなれば、それは知らずして絶滅してしまったということを暗示している。海外で植物園が国家機関としての特色を持っており、そして国によっては諜報員から遺伝資源を奪われないように厳重に管理する体制が整備されているのは、このためだ。日本がこの事実に気付いたのは1992年という、お世辞にも良く気付いたという風に褒められたモノではない。この頃には既に日本固有の植物がおどれほど失われたことだろう、これ見よがしにと科学技術ばかりに特化した生活が発展しすぎたことにより、日本の自然バランスは崩壊寸前まで追い詰められただろう。そうした中、何とかこの状況を食い止めようとする動きを見せたのが植物園で、その団体を支える協会は92年に『絶滅危惧種植物種対策委員会』を設立し、現在までに把握しているだけでも『874種』という絶滅危惧植物種の保全活動に尽力している。

これもかつて存在していたものを考えるとほんの一部とも考えられるが、この際失われたものはどうやって元には戻らないので良いとしても、その後の活動としては目覚しい物がある。それは2010年までに絶滅危惧植物種の6割が利用可能な状態で生育域外において保全できるまでになり、現在も絶えず活動を続けている。

目標を達成することが出来た理由として

2010年、絶滅危惧植物種の半数以上が生育域外で保全できるようになった功績は大きい、協会が人知れず努力を重ねた結果といえるだろう。ただ協会と特定の植物園だけでその目的を達成できるだけで簡単に解決策を導き出せるモノではない。この活動が成功したのは最低でも協会に加入している植物園すべての協力なくしては成功しなかった案件だからだ。

日本といっても地域によって気候も違い、また植物園ごとに研究している内容が異なっていることも、それぞれの植物園が研究している内容を照らし合わせながら、最善策を導き出していった。この活動がどれほど労力を必要とするかは想像に難しくないだろう、だが現実に実現した事を考えれば見事なまでの連携といえる。ではどういった活動をしたことで成功を導き出すことが出来たのかというと、それは以下の通りだ。

1:保全の優先順位の明確化
絶滅危惧植物種といっても全てが全て同じラインの危機下に置かれている訳ではない。その中でもとりわけ最優先にしなければならない案件から順に対策を講じることによって、消滅の危機に陥っている植物の保全活動を行っていく。この時の優先順位としては協会が調査したそれぞれの植物園が抱えている問題を独自に順位付けしたものとなっているので、公平性も有している。
2:収集と保存
植物といってもまずは産地や生育環境などの記録は欠かすことができず、更に植物の卵たる種子の状態においては低温で長期間保存する事が可能となっているので、保全する事はそう難くない。この活動には環境省が進めている絶滅危惧植物の種子の収集と保存、植物の系統保存に関するマニュアルを作成しており、それに全面的に協力することによって、全国で市民を交えて技術講習会などを開催して、保全技術の向上に務めている。協会の活動は関係者だけでなく、植物の生育に必要な地域に在住している市民をも含めて大々的なものとなっている。
3:普及と啓発
ただ一般市民には何が重要なのか理解できているわけではないので、協会はまずそこから説明をしていかなければならない。植物園側からの説明をいいが、分からないことに更に専門用語での説明をされても理解が追いつくことはない。そのために先に述べたシンポジウムを始めとした企画を計画することで、より絶滅の窮地に立たされている植物が現にこうして存在していることを理解してもらうために、普及と啓発をもってして、日本全体で保全活動に取り組んでいこうとする関係が形成できるように努力している。

植物園の活動がもたらす意義とは

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