植物園自然保護国際機構

イギリスに本部をおく非営利団体

日本では絶滅危惧植物種の保全活動に勢力を挙げているのが日本植物園協会となっているが、世界にも似たような活動を行なっている団体は数知れずとなっている。その中でも代表的なものとして、国際的に知名度の高い機関として、各国に存在している植物園と連携して保全活動を行なっているのを主動しているのが、イギリスにその本部とおき、非営利団体ながら世界各地に支部を置いている『植物園自然保護国際機構』というものがある。この機関、略してBGCIと呼ばれているが、世界150カ国、500を超える植物園が加入している大型組織となっており、植物園同士のネットワークを形成している比率としては世界最大となっている、植物に関する研究の最先端をいっている団体でもある。本部はイギリス国内に配置されている、後ほど紹介するが世界三大植物園として名高い『王立キューガーデン』に設立されていることで知られ、その研究内容はまさに世界有数といえる。イギリス国内だけに留まらず、世界各地で現在までに絶滅の危機に見舞われている野生の植物の保護を目的としており、日本でも団体と協力して常に研究に研究を重ねて、いかにして多くの生物を未来永劫の越していけるかどうかが話し合われている。

ここからはこのBCGIについて考察してみよう。

機構としての使命に

植物の保全を行っている最先端の機関であるBGCIの目的には『植物の多様性が正当に評価されることによって確保され、あらゆる生命を支える世界を作ること』、これをビジョンとしておいており、その目標となる世界とはつまり、『健全な人類と地球のために、植物の多様性の維持に向けて、植物園の力を集結し、パートナーと協力し合うこと』これを最大の使命としているという。言葉にすれば簡単だが、とても難しいことだ。特に自然保護ということがどれ程重要なものなのか、あまり理解していない国では植物はただの資源にしか過ぎない。しかも有限として見ているか否かという点でも疑問が残るが、日本でも自然に対して積極的に保全活動を推進しているかといわれたら、かなり際どいところだろう。

だからこそ協会やBGCIが改めて自然の重要性を説いているわけだが、それが伝わるまでにはかなりの時間を要することになる。では具体的にどのような行動をもってして、BGCIの活動が重要なのかと訴えているのかについては気になるところだろう。単純に言葉で人が共感してくれるなら話は早いだろうが、納得しない人にとっては言葉だけで促されるほど簡単なモノではない。もっと具体的な行動を示せといわれてしまえば、それに見合うだけの活動内容を証拠として提示しなければならない。ではどういった活動をしているかについてだが、それは次のようなものになっている。

具体的な活動内容について

  • 1:植物の保全を政治的局面に変化をもたらして、生物多様性の目標設定を国際レベルで行なうようにして世界植物保全戦略の開発を行った
  • 2:機関が形成しているネットワークを通じて、世界各地に広めることにより、植物園同士がこれまで知りもしなかった知識と技術を共有することで、不可能とされた技術の開拓に成功する
  • 3:絶滅の危険性のある植物に関して独自のデータベースを運用しており、そこにはざっと80,000種の植物のデーターが登録され、内10,000種が絶滅の危機に陥っていることを、共通情報として取り入れる事が出来る
  • 4:ブラジルや中国を始めとした植物環境が乏しい国において、植物園を形成することで市民の植物に対する考え方に変化をもたらすことによって、先進国だけではない世界全体で植物の保全を遂行していけるように、影響力を放ち続けている

世界植物保全戦略とは

BGCIの活動として最も大きな目標として掲げている、また理想とする世界を達成するために必要な道筋を記載しているのが『世界植物保全戦略』と呼ばれる計画がある。通称『GSPC』と呼ばれているモノで、この計画での目的は今現在までに世界で絶滅の危機に瀕している植物を、長期的な目線で植物多様性の減失の停止を最優先事項としていることにある。要は絶滅させるには惜しい植物の保全を世界レベルで、国家単位で行ってくれということを推し進めている計画だ。この計画が推奨され、そして世界中の国々が賛成・同調・実行するようになった場合などを含めても、この計画に好意的な国を含めた各地である程度の目標が定められている。

その目標とはどのようなものなのか、すべては紹介しきれないので抜粋して簡単に紹介しよう。

植物多様性の理解と記載

  • 1:完全な世界植物誌への第一歩として、広く利用可能な既知植物種のワーキング・リストを作成する
  • 2:すべての既知植物種の保全状況の初期的な評価を国内・地域・国際的レベルで実施する
  • 3:調査、及び実戦経験に基づいた植物の保全と持続可能な利用のためのモデルの開発

植物多様性の保全

  • 1:最低でも、世界の各生態的地域の10%を効果的に保全する
  • 2:植物の多様性に関して最も重要な地域の50%の保護を確実なものとする
  • 3:少なくても生産地の30%を植物多様性保全に合致した形で管理する

植物多様性の持続可能な利用

  • 1:国際貿易によって危機に曝されている植物種を無くす
  • 2:植物由来の製品の30%を持続的に管理されている生産地から産出できるようにする
  • 3:植物資源の現象、ならびに持続可能な生計、地方の食料安全、更に健康の維持増進に資する地方、または原住民の知識と工夫、慣行の損失を停止させる

すべてをクリアするのは長い道のりだが

上記に挙げたBGCIの計画を完遂するために必要な事項として、簡単に紹介したがこれ以外にも当然ながら国家レベルで情報を共有するなどの対策といったことも含まれてくる。自国の絶滅危惧植物種に対する保護活動を推進することに問題はないにしても、世界ではその他にもそうした聞きに立ち会っているものがあることを理解しなくてはならない。また、ネットワークを通じることで保全する事は難しいと考えられていた植物が、ある国で開発された技術を用いれば道が開けるかもしれない、といった可能性が導き出せるかもしれないというのも大きなところだ。

ただこうした活動が真に成果を生むとしたらどれほどの月日を要することになるのか、少し検討がつかない部分でもある。ハードな道のりになるのは予想できるところだが、もし全ての問題をクリアできより自然界との共生は現実味を帯びてくるかもしれないのは、大きな魅力なので経過を見守っていきたいところだ。

植物園の活動がもたらす意義とは

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